先日、東京スカイツリー付近でドローンが無許可で飛行し、その映像がSNSに投稿されたというニュースが報じられました。この一件は、ドローンを巡る法規制や安全意識の重要性を改めて浮き彫りにしています。
スカイツリー無許可飛行の概要
報道によると、2025年5月19日頃、アメリカの映像作家が自身のSNSに、東京スカイツリーの頂上付近から急降下したり、旋回したりするドローンの映像を投稿しました。国土交通省の確認では、このドローン飛行に必要な国の許可申請は行われていなかったとのことです。
航空法では、人口集中地区や地表から150メートル以上の空域でのドローン飛行は原則禁止されており、飛行させるには国の許可が必要です。また、第三者や物件から30メートル以上の距離を保つ義務もあります。今回の飛行はこれらの規定に抵触する恐れがあるとして、国土交通省は警察庁に情報提供し、相談を進めている模様です。昨年5月にも、同じ人物が東京タワー付近で同様の無許可飛行を行っていたことも判明しており、SNS上では「不謹慎」「迷惑」といった批判の声が上がっています。
ドローンを安全に飛ばすために必要なこと
ドローンは空撮や測量、物流など多岐にわたる分野で活用が進む一方で、その操作には適切な知識と責任が求められます。安全にドローンを楽しむために、以下の点に注意しましょう。
1. 法規制の理解と遵守
日本にはドローンの飛行に関する厳格な法規制があります。
- 許可・承認の取得:
- 人口集中地区(DID地区)での飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件から30m未満の距離での飛行
- イベント上空での飛行
- 危険物輸送、物件投下 これらの飛行を行う場合は、国土交通大臣の許可・承認が必要です。
- 飛行禁止空域:
- 空港等の周辺空域
- 地表または水面から150m以上の高さの空域
- 緊急用務空域 これらの空域での飛行は原則禁止されています。
- 小型無人機等飛行禁止法: 国の重要な施設(国会議事堂、首相官邸、原子力施設など)やその周辺地域上空での飛行は禁止されています。東京スカイツリーもこの法律の対象となる可能性があります。
2. 事前準備と機体点検
飛行前には必ず以下の点を確認しましょう。
- 機体点検: バッテリー残量、プロペラの損傷、機体の異常がないかなどを確認します。
- 気象条件の確認: 強風、雨、雪、霧などの悪天候時は飛行を控えましょう。風速5m/s以上での飛行は避けるべきです。
- 飛行場所の確認: 飛行禁止区域ではないか、周囲に障害物がないか、離着陸スペースが十分にあるかなどを確認します。
3. 安全な飛行方法
- 目視内飛行: ドローンは常に操縦者から目視できる範囲で飛行させることが原則です。
- 補助者の配置: 広い場所や複雑な場所で飛行させる場合は、周囲の安全確認を行う補助者を配置することを検討しましょう。
- 急な操作の回避: ドローンは繊細な操作が必要です。急な加速、減速、旋回は機体の不安定化や事故の原因となります。
- 緊急時の対応: バッテリー切れや電波ロストなど、緊急時の自動帰還設定や手動での着陸手順を事前に確認しておきましょう。
4. プライバシーとエチケット
- プライバシーの保護: ドローンで撮影する際は、他人のプライバシーを侵害しないよう配慮が必要です。無断で個人宅や人を撮影することは避けましょう。
- 騒音への配慮: ドローンの飛行音は、周囲の人々にとって騒音となる場合があります。住宅街や静かな場所での長時間の飛行は避け、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
- 土地所有者への確認: 私有地の上空を飛行する際は、事前に土地所有者の許可を得ることが望ましいです。
5. 違反した場合の罰則
航空法や小型無人機等飛行禁止法に違反した場合、罰金や懲役などの罰則が科せられる可能性があります。今回のスカイツリーのケースのように、無許可飛行は法的な責任を問われることになります。
まとめ
ドローンは便利なツールであり、素晴らしい映像を撮影したり、新しい視点を提供したりする可能性を秘めています。しかし、その一方で、適切な知識と責任を持って操作しなければ、思わぬ事故やトラブルを引き起こす可能性があります。今回のスカイツリーの件を教訓に、私たち一人ひとりがドローンに関する法規制を正しく理解し、安全な飛行を心がけることで、ドローンが社会にとってより良い存在となるよう努める必要があります。
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